克服するほどでもないけど厄介な恐怖症の話。

人間、どんなに強い人でも、苦手なものが一つか二つくらいはあるものだ。

例えば、犬が苦手とかニンジンが苦手とか、高い場所が苦手とか……。

 

もちろん、私にも苦手なものが存在する。

いや、苦手なんてもんじゃない。

もう、「恐怖症」と言ってもいいくらい、怖いものが存在する。

 

それは蛍の光だ。

 

蛍の光」は卒業式などで歌われる、有名なスコットランド民謡。

でも、別に私は卒業式やテレビなどで「蛍の光」が流れても恐怖は感じない。

 

あの「蛍の光」って、お店の閉店時間の間際になると流れるじゃないですか。

その閉店時間の間際に流れる「蛍の光」が恐怖なのである。

 

 

あまりにも怖すぎるので、閉店間際のお店には絶対入らないようにしている。

もし、うっかり閉店間際の店に入ってしまって、蛍の光が店内スピーカーから流れでもしたら、

 

 

もう、本当にすみません!

すぐに出て行きますから、許してください!!

ほんっとうにごめんなさい!!!

生きててすみません!!!!

 

 

みたいな言葉を心の中で叫びながら、恐怖を感じてしまうのだ。

 

どうしてあんなに「蛍の光」を聴いただけで恐怖に陥ってしまうのかはよくわからない。

特に小さい頃に閉店間近のお店に残っていて怒られてしまった経験とかはないのだが……。

 

しかも、閉店を知らせる音楽が「蛍の光」でなければ、こんなに恐怖心は起こらないと思う。

例えば、閉店の音楽がショパンの「別れの曲」とか、さだまさしの「北の国から」とかだったら、絶対に恐怖心を感じない自信がある。

 

とにかく、閉店間近に流れる「蛍の光」の音楽が恐怖なのだ。

 

 

 

 

 

私はこの「蛍の光恐怖症」を自覚しているので、閉店間近の店には絶対に近寄らないようにしているが、一つやっかいな問題がある。

 

ブックオフへ行くときだ。

 

ブックオフって、大体「ハードオフ」とか「オフハウス」と並列していますよね?

で、ブックオフよりもハードオフやオフハウスの方が閉店時間が早い。

ブックオフが22:00閉店だとすると、ハードオフやオフハウスは20:00閉店というところが多い。

 

私がブックオフで本を物色していて、ちょっとでも長居してしまうと、隣接しているハードオフやオフハウスが閉店の時間を迎えてしまうのだ。

 

そして、もちろんあの恐怖の「蛍の光」も流れてくる。

 

自分がいるブックオフはまだ閉店しないということはわかっている。

あの「蛍の光」は隣接しているハードオフやオフハウスの閉店を知らせているということもわかっている。

 

でも、私は、

 

 

もう、本当にすみません!

すぐに出て行きますから、許してください!!

ほんっとうにごめんなさい!!!

生きててすみません!!!!

 

 

と心の中で叫びながら、恐怖を感じてしまうのだ。

 

でも、恐怖を感じているのも「蛍の光」が流れている間だけ。

音楽が終わって、ハードオフやオフハウスの店員が片づけなどをし始めるころには、私の心も平常心を取り戻す。

 

 

本当、あの「閉店間近」の音楽を「蛍の光」ではない別の音楽に変えられるものなら、変えてほしいものだ。

 

 

ショパンの「別れの曲」なんて、タイトルも何だか淋しい曲調もピッタリだと思うんだけど……。

 

さだまさしの「北の国から」とかでもいいんじゃないのかな?? と思う。

まあ、あの曲、ドラマのオープニングの曲だけどね。